樹齢1000年の屋久杉の木材を仕入れました@@, [木材の話]
偽物が多いという「屋久杉材」。いつも出入りしている木材店で本物がありまして購入しました。
屋久島という特殊な環境で1000年も育っているので、木目が特異的です。本物か偽物かは、一度本物を知ってしまえば簡単です。それでは本物を今回はご紹介しましょう♪
大きな銘木店なら1枚は屋久杉があるものですが、よーく見ると樹齢1000年以下の物が多いです。樹齢1000年以下の物は厳密には屋久杉ではありません※後述
今回の記事では、屋久杉の材について「なるほど!」と分かりやすく理解できるように紹介します。近日、屋久杉の作品もtetoteにてリリースします。
まず、屋久杉というのは樹齢1000年を越えた材の事を呼ぶそうです。それ以下は「小杉」と呼ぶそうです。今では屋久島では伐採を禁止されています。プロジェクトXでその辺りの経緯は紹介されています。現在流通しているものは、倒木となって埋もれていたものや、この材のように伐採を禁じられる前に出荷されていたものが市場に出回るそうです。しかし、限りある資源であるのは間違いなく、枯渇の一途なのです。ちなみにこの板はお店で最低でも40年は売れずに在庫されていたらしいです。
ちなみに、植物としての知識ですが。屋久島の天然杉は、東日本の杉とはDNAが違うというか、葉の形が違います。検索すると画像が見れるでしょう。
この板は、木の外側から採られた材です。なので、成長がとてつもなく遅くなっています。
1センチの厚さの中に年輪が50~60本ほどあります。
驚愕です。まあ、ここまで年輪の間隔が詰まっているのは、樹齢千年を軽く越えている証拠。
銘木業50年の方の話だと、二千年越えレベルだそうです。
台湾ヒノキの、樹齢が確かな木材で、樹齢1200年程度の材も所有していますが、それを軽く越えています。
屋久杉と言われて売られているもののほとんどが、樹齢1000年以下の「小杉」のような気がします。5~600年位の材はわりかし見かけます。それもそれでスゴイはずなのですが・・・。
では、埼玉県産の樹齢60年程度の杉の材と樹齢二000年越えの屋久杉の木目を比較してみましょう。
密集した環境で、かつ湿度の高い特殊な環境で数千年も生きていた木・・・。
分かる方には分かると思いますが、完璧な板目です。
当然に杢が出ています。出ていますが、とてつもなく美しいです。
そして、不思議な模様になっています。これを鶉杢(うずらもく)と呼びます。屋久杉の材の中でも、この鶉杢(うずらもく)のある材は貴重との事です。
この材の杢は間隔が超狭く緻密です。樹齢5百年程度の屋久島産の杉では、ここまで緻密ではないのです。
銘木業50年のプロの方にこの材を見てもらったら、「個人的な経験からすると、樹齢1000年どころかもっと行ってる。最高で2000年近いものが昔はあった。これはその部類だね。本物の中の本物」とおっしゃってました。
木の年輪方向を、樹齢60年の材と比較してみます。成長が圧倒的に遅く、目が細かい。もう、圧倒的にすべてが違います。この屋久杉の板は厚さ12mmです。
1本の木の中でも、中心のほうと外側では、外側のほうが年輪の間隔が狭くなります。この材は外側です。そして、樹齢1000年を大きく越えるような巨木だとこんな感じになります。
より貴重な材です。この画像のようにここまで年輪の間隔が狭ければ本物。そうでないのは樹齢1000年越えているか?うーん。それはどうかな!?という判断になるのではないでしょうか。
ヒビが多い材だったので、ヒビに沿って材を分割してみました。材を切っていると、本当に、驚く程に、良い芳香がします。言葉で例えようがありません。すごいです。本当に素晴らしい芳香です。すでに伐採から数十年。痛みが進んでいるのは否めません。
本物の屋久杉は本当に入手困難。樹齢数百年程度のものであれば、市場でたまに見かけます。
ぜひ本物を探して、本物の美しさに感動してみてくださいね!
樹齢数千年の材は神の領域・・・。絶句です。ウレタン樹脂を塗ったら、角度によりこんなに反射して輝くのです。
年輪は、色が薄い部分は夏に成長する夏材、濃い部分は冬に成長する冬材と呼ばれます。
安っぽい杉でも、冬材は光沢感があります。そしてこの材は、冬材が何重にも狭い面積に詰まっているので、驚くほどに美しい光の反射をします。
また、屋久杉について色々と知見を深めました。倒木の埋もれ木は今でも屋久島から持ち出されていますが、注意があります。永いこと埋もれていた屋久杉は、確かに屋久杉です。
しかし、長い時間風雨に晒され、地面に埋もれている間に、脂が染み出てしまったものは、色が枯れていて残念な風情です。天然薩摩杉の端材をイタズラでお湯で煮たら、脂が無くて色が枯れた屋久杉の色になりました。そういう屋久杉を高い値段で掴まされないように注意です。
なお、脂のべとべとな屋久杉は、重量が重いです。枯れた屋久杉は軽いです。それは大きな1枚板でも、薄い板でも分かります。
とにかく、ヤフオクなんかで実物も見ないで買わない事です。また、兎にも角にも色々な屋久杉と言われるものをよーーーく見て、研究してから手を出しましょう。すくなくともこのブログの材と同等だったり同じ色だったら大丈夫な確率が高いです。
すでにSOLD OUTですが、製作販売した作品例をここに掲載しておきます。
お目通しありがとうございました。
★★偽物の屋久杉とは★★
屋久杉で作られたi phoneケースを知人が購入しました。なんと、植樹の杉でしかも東日本産の杉でした。バサバサなのですぐに分かりました。それは極端な悪い例です。
その他、よく聞く話がいわゆる西の杉、薩摩杉等を屋久杉といえば知らない人は喜んで買っていくのでそう言って売っている業者がいます。天然であれば薩摩杉も良い材です。が、本物の屋久杉とは別物ですよね。嘘つき業者は少なくないですからね。うーん、こまったものです。
屋久島という特殊な環境で1000年も育っているので、木目が特異的です。本物か偽物かは、一度本物を知ってしまえば簡単です。それでは本物を今回はご紹介しましょう♪
大きな銘木店なら1枚は屋久杉があるものですが、よーく見ると樹齢1000年以下の物が多いです。樹齢1000年以下の物は厳密には屋久杉ではありません※後述
今回の記事では、屋久杉の材について「なるほど!」と分かりやすく理解できるように紹介します。近日、屋久杉の作品もtetoteにてリリースします。
まず、屋久杉というのは樹齢1000年を越えた材の事を呼ぶそうです。それ以下は「小杉」と呼ぶそうです。今では屋久島では伐採を禁止されています。プロジェクトXでその辺りの経緯は紹介されています。現在流通しているものは、倒木となって埋もれていたものや、この材のように伐採を禁じられる前に出荷されていたものが市場に出回るそうです。しかし、限りある資源であるのは間違いなく、枯渇の一途なのです。ちなみにこの板はお店で最低でも40年は売れずに在庫されていたらしいです。
ちなみに、植物としての知識ですが。屋久島の天然杉は、東日本の杉とはDNAが違うというか、葉の形が違います。検索すると画像が見れるでしょう。
この板は、木の外側から採られた材です。なので、成長がとてつもなく遅くなっています。
1センチの厚さの中に年輪が50~60本ほどあります。
驚愕です。まあ、ここまで年輪の間隔が詰まっているのは、樹齢千年を軽く越えている証拠。
銘木業50年の方の話だと、二千年越えレベルだそうです。
台湾ヒノキの、樹齢が確かな木材で、樹齢1200年程度の材も所有していますが、それを軽く越えています。
屋久杉と言われて売られているもののほとんどが、樹齢1000年以下の「小杉」のような気がします。5~600年位の材はわりかし見かけます。それもそれでスゴイはずなのですが・・・。
では、埼玉県産の樹齢60年程度の杉の材と樹齢二000年越えの屋久杉の木目を比較してみましょう。
密集した環境で、かつ湿度の高い特殊な環境で数千年も生きていた木・・・。
分かる方には分かると思いますが、完璧な板目です。
当然に杢が出ています。出ていますが、とてつもなく美しいです。
そして、不思議な模様になっています。これを鶉杢(うずらもく)と呼びます。屋久杉の材の中でも、この鶉杢(うずらもく)のある材は貴重との事です。
この材の杢は間隔が超狭く緻密です。樹齢5百年程度の屋久島産の杉では、ここまで緻密ではないのです。
銘木業50年のプロの方にこの材を見てもらったら、「個人的な経験からすると、樹齢1000年どころかもっと行ってる。最高で2000年近いものが昔はあった。これはその部類だね。本物の中の本物」とおっしゃってました。
木の年輪方向を、樹齢60年の材と比較してみます。成長が圧倒的に遅く、目が細かい。もう、圧倒的にすべてが違います。この屋久杉の板は厚さ12mmです。
1本の木の中でも、中心のほうと外側では、外側のほうが年輪の間隔が狭くなります。この材は外側です。そして、樹齢1000年を大きく越えるような巨木だとこんな感じになります。
より貴重な材です。この画像のようにここまで年輪の間隔が狭ければ本物。そうでないのは樹齢1000年越えているか?うーん。それはどうかな!?という判断になるのではないでしょうか。
ヒビが多い材だったので、ヒビに沿って材を分割してみました。材を切っていると、本当に、驚く程に、良い芳香がします。言葉で例えようがありません。すごいです。本当に素晴らしい芳香です。すでに伐採から数十年。痛みが進んでいるのは否めません。
本物の屋久杉は本当に入手困難。樹齢数百年程度のものであれば、市場でたまに見かけます。
ぜひ本物を探して、本物の美しさに感動してみてくださいね!
樹齢数千年の材は神の領域・・・。絶句です。ウレタン樹脂を塗ったら、角度によりこんなに反射して輝くのです。
年輪は、色が薄い部分は夏に成長する夏材、濃い部分は冬に成長する冬材と呼ばれます。
安っぽい杉でも、冬材は光沢感があります。そしてこの材は、冬材が何重にも狭い面積に詰まっているので、驚くほどに美しい光の反射をします。
また、屋久杉について色々と知見を深めました。倒木の埋もれ木は今でも屋久島から持ち出されていますが、注意があります。永いこと埋もれていた屋久杉は、確かに屋久杉です。
しかし、長い時間風雨に晒され、地面に埋もれている間に、脂が染み出てしまったものは、色が枯れていて残念な風情です。天然薩摩杉の端材をイタズラでお湯で煮たら、脂が無くて色が枯れた屋久杉の色になりました。そういう屋久杉を高い値段で掴まされないように注意です。
なお、脂のべとべとな屋久杉は、重量が重いです。枯れた屋久杉は軽いです。それは大きな1枚板でも、薄い板でも分かります。
とにかく、ヤフオクなんかで実物も見ないで買わない事です。また、兎にも角にも色々な屋久杉と言われるものをよーーーく見て、研究してから手を出しましょう。すくなくともこのブログの材と同等だったり同じ色だったら大丈夫な確率が高いです。
すでにSOLD OUTですが、製作販売した作品例をここに掲載しておきます。
お目通しありがとうございました。
★★偽物の屋久杉とは★★
屋久杉で作られたi phoneケースを知人が購入しました。なんと、植樹の杉でしかも東日本産の杉でした。バサバサなのですぐに分かりました。それは極端な悪い例です。
その他、よく聞く話がいわゆる西の杉、薩摩杉等を屋久杉といえば知らない人は喜んで買っていくのでそう言って売っている業者がいます。天然であれば薩摩杉も良い材です。が、本物の屋久杉とは別物ですよね。嘘つき業者は少なくないですからね。うーん、こまったものです。